【論文抜き出し】遠藤(2022)発達の連続性と変化を問うということ:アタッチメント縦断研究に見るアポリア

 発達心理学において縦断研究は重要とされるが、現在その量は不足しており、主流となっているのはコホート研究である。 コホート研究は横断研究に比べれば、発達曲線を描くことができるという利点は存在するものの、発達の個別性を明らかにすることはできていない。

 また、アタッチメント研究において見解の一致する所としては「アタッチメント・スタイルの質は変化しうるものである」、「1歳時点でのアタッチメントがその後の精神病理や問題行動のかなり強い予測因子である」こと。 種々の問題はあれど、内的ワーキングモデルという補助線を引けば十分に意義はある。